半泣きの詩(うた)R 

「半」のつく言葉が好きだ。半泣き、半笑い、半ケツ、半身、半熟、半殺し等々。 どれもこれも中途半端な状態を表していてコミカルだ。 半殺しなんかはちょっと物騒な響きだが、それでもきっちり殺されるよりはマシである。 世界は中途半端であふれ返っている。 このブログでは大泣きするほどのことではない、でも半泣きくらいにはなってしまいそうな日常のシーンを掠めとって、読んでくれる人を半笑いにしたいと思います。

『数学Ⅰ』の参考書を読む幼なじみが、数字を見ただけで、じん麻疹が出そうになる僕に・・・


互いの家から車で5分ほどのところにある、うまいパスタを食わせる喫茶店『バジリコ』の奥の席。

木製のおしゃれなテーブルの向かい側で、幼なじみの吉田が『数学Ⅰ』の参考書を読んでいる。

吉田は百貨店に勤めていたが、

『これからはもっとコンピューター、パソコンの時代になる。コンピューターは数式で動くから、
数学を修めることはコンピューターを修めることに等しく、コンピューターを修めることは時代を
制するということだ』

という自らの先見の識のもと、ある日から猛然とコンピューターの勉強を始めたのだった。


すっかり炭酸の抜けたコーラをひと口すすって、僕はその参考書を覗きこんだ。

“まじか!? 分数の上に分数が乗ってるやないか。こいつはこんなのがわかるのか”

『魁!!男塾』の伊達 臣人ならきっと

「吉田が敵でなかったことを神に感謝するぜ」

などと言ったに違いない。

自慢ではないが、僕はハクション大魔王に気の毒がられるくらい数字、算数が苦手だ。

その内容の難解さに驚いた僕は、しげしげと幼なじみの顔を見たのだが、吉田はてんで

意に介するようすはない。

僕は読みかけていた『週刊プレイボーイ』の小峰隆生の人生相談のコーナーに視線を戻した。

それから10分程が経ったころだ。突然、吉田が僕に声をかけてきた。

「おい。島中」

「なんや」

「お前に、教えてもらいたいことがある」

吉田が参考書を鼻の高さに掲げた。

「お前、オレが数字に弱いこと知ってるやろ」

「大丈夫や。お前にもわかるはずや」

吉田の真剣な眼差しに気圧され僕は訊いてみることにした。

「そしたら言ってみろよ」

「分数のな、分母って下か上か、どっちやった?」

「へ???」

「だから、分母は上か下かって訊いてるんや」

「下や。下やけど・・・」

よもやの質問に僕は軽い目眩をおぼえた。

「お前、分母が上か下かわからずに、その参考書理解できたんか?」

僕の真っ当過ぎる質問に、吉田は少しはにかみながら答えた。

「おお。まあ、なんとなく雰囲気でな」

 雰囲気て。

『魁!!男塾』の剣 桃太郎なら、なにも言わず、即、叩き斬っていたに違いない。


―――ちょうど20年前の話だ。現在、吉田は経営者になり、『ITのプロになる学習塾 PROCLASS』の

運営をしている。

「当時はコンピューターの勉強をしたくても、教えてくれるところがなくて苦労した。

もしも、今もそんな思いを抱えている人がいるのなら力になりたいと考え、開塾した」とのことだ。

IT、プログラムに興味のある人は是非→『PROCLASS』

ただし、分母が上か下かレベルは、予習しておくように。

    




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コメント

こ、、こりゃあすげぇ、、、
深良い話ですね、良い話やわ〜
努力されたんですねぇ

かくいう私も
分数久しく見てないので読んでいて
はて、どうだっけ??と思ってしまいましたが、、

  • 2014/11/15(土) 05:46:50 |
  • URL |
  • マキさん #-
  • [ 編集 ]

ありがとうございます。

そうなんです。吉田は努力の人なんです。
幼なじみを褒めて頂いて、僕も嬉しいです。

ところでマキさんも分数あやしいですか(笑)

中島らもさんが大阪芸大時代、同級生に「中島は分数ができるんか!?」と
驚かれたらしいんですが、分数ってけっこう『難敵』なのかも知れませんね(笑)

もちろん、僕は完敗です。

  • 2014/11/15(土) 11:12:37 |
  • URL |
  • 島中 之裕 #-
  • [ 編集 ]

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