半泣きの詩(うた)R 

「半」のつく言葉が好きだ。半泣き、半笑い、半ケツ、半身、半熟、半殺し等々。 どれもこれも中途半端な状態を表していてコミカルだ。 半殺しなんかはちょっと物騒な響きだが、それでもきっちり殺されるよりはマシである。 世界は中途半端であふれ返っている。 このブログでは大泣きするほどのことではない、でも半泣きくらいにはなってしまいそうな日常のシーンを掠めとって、読んでくれる人を半笑いにしたいと思います。

「よりみち」という名の居酒屋について。


「よりみち」という名のその居酒屋が、そこにいつ出現したのか正確なところは分からない。

 たぶん、そんなに昔のことではない。

 旧国道24号線沿いにたたずむ、良く言えば簡素、良く言わなければ味気ない店構えが、前を通る度に

 僕の心をとらえて放さなかった。いや、本当は店構えが僕の心を奪ったのではない。やはりそのネーミングだ。

 さりげなさと、あざとさが同居した微妙なネーミング。

 “果たして世の酒好きたちはここに寄り道しているのだろうか?!”

 と、考えずにはいられないのだった。


 ある夜のことだ。「よりみち」のことが気になって、仕事も手につかなくなってしまった僕は友人の吉田と

 連れだって「よりみち」に趣いた。吉田もやはりこに店が気になっていたのだ。

 はやる気持ちを抑え暖簾をくぐった。

 ガランとしていた。

 みんなここにはあまり寄り道していないみたいだ。

 僕たちはなんだか切なくなって早々に店を出た。いや、料理の味も店主の愛想もよかったのだ。

 でも、それが却って物悲しさを強調させたのだ。人は良いのに友達がいない奴を見ているような

 心持になってしまったのだ。

 「やっぱり立地条件が悪いのかな……」

 吉田がぽつりと言った。

 きっとそうだ。「よりみち」は旧国道沿いにあって、駅からは相当離れたところにあったのだ。

 だからみんな車で通過していくだけなのだ・・・「よりみち」なんかには目もくれずに・・・

 いかん。なんだかセンチメンタルな調子になってきた。元気を出さねば。

 そうだ。大丈夫だ。居酒屋「よりみち」も近頃、装いも新たに再出発したのだから。

 店名は「たまりば」。

 正直、ちょっと笑ってしまった。

 果たしてちゃんと酒好きたちの「溜まり場」になるのだろうか。

 居酒屋「素通り」にならないことを切に願う。合掌。

  




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