半泣きの詩(うた)R 

「半」のつく言葉が好きだ。半泣き、半笑い、半ケツ、半身、半熟、半殺し等々。 どれもこれも中途半端な状態を表していてコミカルだ。 半殺しなんかはちょっと物騒な響きだが、それでもきっちり殺されるよりはマシである。 世界は中途半端であふれ返っている。 このブログでは大泣きするほどのことではない、でも半泣きくらいにはなってしまいそうな日常のシーンを掠めとって、読んでくれる人を半笑いにしたいと思います。

お名前を聞き直したら、激怒したお客様。

 

 二十歳から15年間、ビジネスホテルのフロントマンをしていた。

 ある夜勤のときだ。

 外線電話が鳴ったので出た。電話の主は、三十代と思しき男性だった。
 
 用件は宿泊予約の問い合わせだった。

 ご希望の日にちが空いていたので、予約を承ることにした。

 まずお名前からお伺いしたのだが、よく聞き取れなかったので恐縮しながら聞き直した。

 すると男性は

「志村けん!」

 と、絶叫された。

 もちろん、志村けん本人ではない。有名コメディアンと同姓同名の一般人なのだ。

 察するに、男性はその名前のおかげで、さまざまな苦労をしてきたのだろう。

 だから、一度名前を聞き直されただけで、ご立腹されたのだ。

 すぐに非礼をお詫びし、予約を取り終えた。

「予約の電話一つまともに受けられないなんて……」

 電話を切った僕は反省した。

 そしてこう思った。

「だめだこりゃ」

 って。

 いや、反省しましたよ。ほんとに。






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