半泣きの詩(うた)R 

「半」のつく言葉が好きだ。半泣き、半笑い、半ケツ、半身、半熟、半殺し等々。 どれもこれも中途半端な状態を表していてコミカルだ。 半殺しなんかはちょっと物騒な響きだが、それでもきっちり殺されるよりはマシである。 世界は中途半端であふれ返っている。 このブログでは大泣きするほどのことではない、でも半泣きくらいにはなってしまいそうな日常のシーンを掠めとって、読んでくれる人を半笑いにしたいと思います。

恐るべし!コロッケ屋さんのおばあちゃん。


 二十歳からの15年間、ビジネスホテルのフロントマンをしていた。

 その勤めていたホテルの隣に『長崎屋』というお肉屋さんがあった。

 この長崎屋は自店のお肉を使ったコロッケを販売していて、それがとても美味しかった。

 ある日勤のお昼休みのことだ。先輩に言われて僕は長崎屋にコロッケを買いに行った。

 (当時、僕は入社2年目のペーペーで、よく使い走りにされていた。ホテル業界は意外に体育会系なのである)

 そのとき店番をしていたのが、御年80にはなろうかという元看板娘のおばあちゃんだった。

 僕は諸先輩方と自分の分を合わせて

「コロッケ、6個ちょうだい」

と、注文した。

 すると、制服姿の僕を見たおばあちゃんは

「あ。サンシャインホテルさんやね。お隣やし、オマケしとくわな。1個60円やから6個で360円やけど、350円でええわ」

と、言ってくれた。

 嬉しいではないか。たとえ10円でも。

 小さな白い紙の袋に入ったコロッケを受け取り、代金を支払った僕は何度もお礼を言って店を後にした。

 で、だ。

 ホテルの休憩室に帰った僕は諸先輩方にお渡しすべく、白い紙袋を開けたのだけれど、なんとコロッケが5つしか入って

いなかったのだ。

 オマケしてやると言いながら、結果、50円ぼったくっていたのだ、あのババア。

 恐るべし! 長崎屋のおばあちゃん。

 





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