半泣きの詩(うた)R 

「半」のつく言葉が好きだ。半泣き、半笑い、半ケツ、半身、半熟、半殺し等々。 どれもこれも中途半端な状態を表していてコミカルだ。 半殺しなんかはちょっと物騒な響きだが、それでもきっちり殺されるよりはマシである。 世界は中途半端であふれ返っている。 このブログでは大泣きするほどのことではない、でも半泣きくらいにはなってしまいそうな日常のシーンを掠めとって、読んでくれる人を半笑いにしたいと思います。

高校野球を観て泣くおかんを見て笑った僕。

僕がまだ幼なかったころ、まだ親父とおかんが離婚していなかったころの話。

夏休みになると、おかんはテレビで高校野球を観ては泣いていた。

理由は、青春を野球に賭けた少年たちの頑張りに感動してと言ったところなのだろうが、ある日、おかんが唐突に僕に訊いてきた。


『おい、之裕。あの座ってボール受けてるやつらは、みんな股間がカユイのか?』

僕は手にしていたアイスクリームを落としそうになった。


おかんを見ると、いたって真面目な顔をしている。冗談で訊いているのではないようだった。


『あれはサインや。ピッチャー、ボールを投げるやつと次にどんな球にするか相談しとるんや』

僕の説明を聞いたおかんは、イマイチわかっていない表情で

『要するに股間がカユイわけではないんやな』

と、あほな確認をしやがった。

まったくと言っていいほど野球を知らないのに、感動して泣くおかんがおかしくて、僕は笑ってしまった。


その後、僕が小学2年生のとき、親父とおかんは離婚した。 それからは高校野球を観るひまもないほど働いて、僕と弟を育ててくれたおかん。年を取り、今は施設に入って生活している。

この間、面会に行ったらテレビで大相撲を観ていたおかんが、僕に訊いてきた。

『おい、之裕。勝ったお相撲さん。なんで、要らんわって仕草してからお金もらいよるんや』

どうやら勝った力士が懸賞金を受け取るときに、手刀を切ることを言っているようだった。

『よう分からん。次、来るときまでに調べとくわ』

僕の声が聞こえているのかいないのか、おかんがつぶやいた。

『要らんのやったら、もらうなっちゅーねん。ややこしいのぉ』

その横顔が「ミイラか」っていうくらい痩せこけていた。


おい。おかん。長生きして、わけの分からない質問をもっといっぱいしろ。そしてもっと僕を笑わせてくれ。





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コメント

ああ勘違い‼

こんにちは。
学校の帰り道、まず真っ直ぐ帰宅なんかせーへん。
河原町歩いてて、ふと目についたタテ長の大きい看板。「花◯学校」結婚前に行く学校やと思ってた。友達に聞いたら思いっきり笑われた。うぶな私(誰も言うてくれへんから自分で言うとく)は、花嫁修行・料理とか習うとこやと思ってた。学校でも、原付に自転車のようなブレーキがあると知り驚いた。ボタンがあってそれを押したら、止まるんやと思ったわーって言うと今度は男友達が無言になった。
あと、原付が高速走られへん事やチェーンがある事聞いて驚いた私。同級生達は皆クチを揃えて「キョウコ、お前頼むし免許取らんといてくれ!」と。

お母さんのキャッチャーのサインと、似てる感じでしょ?まだある。車のフォイールを「鍋の蓋」発言して、「キョウコとしゃべると疲れる!」と言われた。

  • 2015/08/23(日) 18:24:19 |
  • URL |
  • きょうこ #-
  • [ 編集 ]

きょうこさま。

そうですね。おかんの『キャッチャーのサイン』と似た感じですね。

勘違いが勘違いだとわかったときって、けっこう恥ずかしいですよね。

笑いが生まれれば、救われますが。

ごめんなさい。日曜日から家族旅行に行っていたので、コメントのお返しが遅くなりました。

  • 2015/08/25(火) 23:14:27 |
  • URL |
  • 島中 之裕 #-
  • [ 編集 ]

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