半泣きの詩(うた)R 

「半」のつく言葉が好きだ。半泣き、半笑い、半ケツ、半身、半熟、半殺し等々。 どれもこれも中途半端な状態を表していてコミカルだ。 半殺しなんかはちょっと物騒な響きだが、それでもきっちり殺されるよりはマシである。 世界は中途半端であふれ返っている。 このブログでは大泣きするほどのことではない、でも半泣きくらいにはなってしまいそうな日常のシーンを掠めとって、読んでくれる人を半笑いにしたいと思います。

群馬長期出張編 パート・Ⅱ その2 ときめきと戸惑いと…

『お帰りなさいぃ!』

ドアを開け、事務所の中に入ったまさにその瞬間だった。


僕と目が合ったS原さんという事務の女性が、すっと立ち上がり笑顔で迎えてくれた。


正直、ときめいた。

なんなら愚息がぴくりと反応した。


4月11日に群馬に到着した僕は翌日から早速出勤した。


前回の出張から3週間ほどしか経っていない。

僕としてはさっさと現場に入りたかったのだが、『事務所に挨拶をしてから』と京都工場のリーダーたちに言い含められていたので、仕方なく立ち寄った。

そこでそこそこの美人から思いもよらない、笑顔の歓待を受けたのだ。嬉しくない方がおかしい。

そこそこて。もとい。S原さんは、まぁまぁの美人だ(変わらんがな)


事務所奥の応接室で、打ち合わせをする僕にまぁまぁ美人のS原さんは


『群馬の美味しい水で淹れました』

とコーヒーを出してくれた。

元来、コーヒーは飲めない僕なのだが、ここは当然いただいた。美味しそうに。なんなら『探偵物語』の工藤俊作(松田優作)のように。


男ってあほだ。

朝一番から元気をチャージできた僕は意気揚々と現場に出た。


タイミングよくラインは小休止中で、しゃべくりマン・渡部さんや、元ラガーマンの小川さんたちがこれまた笑顔で迎えてくれた。


仲間たちの眩しい笑顔に胸を熱くしつつ、仕事に入った。


3週間ぶりに扱う機械のご機嫌を伺っているうち、あっという間に終業時間が迫ってきた。

夜勤メンバーに引き継ぐ内容をまとめていると、背中に人の気配を感じた。

振り返った。

前回の出張のとき何度も食事に誘ってくれた小川さんだった。
(参照:群馬出張編・16 もしかして、体が目的なのか…)


身長約190cmの小川さんが、僕の腰に手をまわしてささやいた。


『島中さん。また会えて嬉しいです。うまい生ビールを飲ませる店があるんですよ。荷ほどきが落ち着いたら行きましょう』


小川さんの大きな腕の中、僕は戸惑いながら曖昧にうなずいた。


2回目の群馬長期出張、今度こそ人としてなにか大切なものを失うような気がする。

いや、男として新しい世界を知ることになると考えた方がいいのだろうか。

いずれにしても、いよいよのときは優しくしてね、小川さん。





気まぐれ日記 ブログランキングへ
 
 にほんブログ村 サラリーマン日記ブログへ
にほんブログ村   

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する