半泣きの詩(うた)R 

「半」のつく言葉が好きだ。半泣き、半笑い、半ケツ、半身、半熟、半殺し等々。 どれもこれも中途半端な状態を表していてコミカルだ。 半殺しなんかはちょっと物騒な響きだが、それでもきっちり殺されるよりはマシである。 世界は中途半端であふれ返っている。 このブログでは大泣きするほどのことではない、でも半泣きくらいにはなってしまいそうな日常のシーンを掠めとって、読んでくれる人を半笑いにしたいと思います。

群馬出張編・11・若手ホープの島田くんは空手家。

同じ『前後半チーム』の島田くんは、次期リーダーと目されている。

年は30過ぎだ。

無口で大人しい性格なのだが、笑顔がとてもキュートで、僕のつまらない冗談で笑ってくれたときなど、

抱きしめてやりたくなるほどだ。

そんな島田くんが空手家だと聞いたのは、先週末の決起大会のときだ。

別のチームの小沢さんが教えてくれた。

「島田君はこう見えて空手マスターなんです。普段は物静かですけど、すごく強いんですよ」

「え。そうなんや。島田君、空手やってたんや」

僕も格闘技経験者なので話が合うかなと、ちょっとテンションが上がったのだが、島田君は

「いやあ。空手やってたと言っても、4級なんです」

と、照れくさそうに笑ってビールに口をつけた。

「よ、4級かいな」

「はい。4級なんです」

失礼ながら僕が笑うと、島田君はさらに相好を崩した。その笑顔がまたキュートで抱きしめてやりたくなった。

僕は昂ぶる衝動をなんとか抑えて、向かいの席でぽかんと口を開けている小沢さんに言った。

「小沢さん。空手4級っていうのは、そろばん1級に負けるくらいの強さですわ。そろばんの角で叩かれたら痛いですから」

すると小沢さんは「はあ」と答えに困ったような反応を見せたのだが、それに被せるように

「あ。ぼく、そろばんもやってました。2級です」

と言って島田君が笑ったときは、もう我慢ができずに抱きしめてしまっていた。


単身赴任とかで、現地妻とか彼女ができてしまうのは、だいたいこんな感じの流れだな。違うか。違うな。
 




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