半泣きの詩(うた)R 

「半」のつく言葉が好きだ。半泣き、半笑い、半ケツ、半身、半熟、半殺し等々。 どれもこれも中途半端な状態を表していてコミカルだ。 半殺しなんかはちょっと物騒な響きだが、それでもきっちり殺されるよりはマシである。 世界は中途半端であふれ返っている。 このブログでは大泣きするほどのことではない、でも半泣きくらいにはなってしまいそうな日常のシーンを掠めとって、読んでくれる人を半笑いにしたいと思います。

めちゃくちゃ可愛いから許してしまっていた。


独身時代、オンボロ長屋で猫を飼っていた。

ミルクという名前のオス猫だったのだが、とても気まぐれでいたずら好きだった。

朝、早いときは5時半頃に僕を起こしにくる。

「にゃあにゃあ」と頭の上で鳴くのだ。

眠たいので無視していたら、家の中を走りまわっては花瓶を倒したり、カーテンにぶら下がったかと思うと、僕の顔目がけ

てダイブしてきたりと傍若無人の限りを尽くす。

仕方がないので起きてやると、やつは10分もしないうちに寝てしまいやがる。

これを嫌がらせと言わずして、なんと言うのか。辛かった。とても辛かった。でも、許してしまっていた。なぜならミルクが

めちゃくちゃ可愛かったからだ。

そんな可愛くてやんちゃなミルクがいる僕の家で、友人の古田と飲んだ。雪がちらつく寒い夜だった。

浴びるほど飲んだ古田はうちに泊まったのだが、全然ゆっくり眠れなかったらしい。原因はもちろんミルクだ。

コタツで寝ようとする古田の胸を踏みつけて走りまわる。走るのに飽きたら、古田の頭のすぐ上にあるトイレで

くっさ~いウンコをする。最後はコタツの中に入ってきたので、やっと寝るのかなと思ったら古田の足を噛みまくったとのこと

だ。

まったく。めちゃくちゃ可愛いかったから許していたが、ブサイクならとっくに三味線にしていたぞ。

ま、可愛くない猫なんていないのだけれど。

ところで、子供のころ、家で飼っていた数匹の猫の中に『ナカムラ ユウ』というのがいた。

その猫の顔が同じ団地に住む中村さんところの次男に似ているからと、おかんが名づけたのだ。

ある夜、ナカムラ ユウが帰ってこないので、おかんが団地中を探してまわった。

「ユウ! どこ行ったんやぁ!? ナカムラ ユウ! 帰っといで。ごはんやで!」

と、叫んでいたら、中村のおばちゃんがえらい剣幕で家から出てきたらしい。


翌日、帰ってきたナカムラ ユウに、おかんが

「怒られたからお前の名前、今日からナカムラな。ユウはなしや」

と言った。

おかんの言葉を理解したのか、ナカムラ ユウ、いや、ナカムラは

「にゃお」

と、鳴いた。

僕は「うぉー」と泣きたくなった。

             のっぴきならない事情があって、ミルクは里子に出した。元気にしているだろうか。合掌。
 




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コメント

普通、ナカムラではなくユウにすると思いますが(笑)
ナカムラ〜!って探していても、ナカムラさんに嫌な顔されそうですよね。

  • 2015/02/04(水) 07:12:24 |
  • URL |
  • 米田米子 #5lgk84Pk
  • [ 編集 ]

ですよね(笑)

そのへん、やっぱり僕のおかんは、普通ではないかも(笑)

うさぎに「ポチ」と名づけたりしてましたから。

  • 2015/02/05(木) 00:56:47 |
  • URL |
  • 島中 之裕 #-
  • [ 編集 ]

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