半泣きの詩(うた)R 

「半」のつく言葉が好きだ。半泣き、半笑い、半ケツ、半身、半熟、半殺し等々。 どれもこれも中途半端な状態を表していてコミカルだ。 半殺しなんかはちょっと物騒な響きだが、それでもきっちり殺されるよりはマシである。 世界は中途半端であふれ返っている。 このブログでは大泣きするほどのことではない、でも半泣きくらいにはなってしまいそうな日常のシーンを掠めとって、読んでくれる人を半笑いにしたいと思います。

上下逆さまだと、意味が全く変わってしまうのだけれど…

1998年の9月26日に結婚式を挙げた。いや、僕と嫁のである。


ホテルで披露宴なんかもしたりして、自分のことながら感動したのだが、後日、出席してくれた先輩に聞いた話に驚いた。


披露宴当日、先輩が出席者の控室に入ると僕のおかんがいた。


『こんにちは。おめでとうございます』

と先輩が挨拶をすると、おかんは人差し指と親指で輪を作り、残りの指を立てては、にかっと笑ったそうだ。


こう書くと、オッケーマークで先輩の挨拶に応えたと思われるだろうが、おかんはなんとその手を上下逆さまにしていたそうだ。


つまり、

『銭や、銭』

のサインである。


『どうリアクションしてええか、わからんかったぞ』

先輩がカラリと笑った。

途方に暮れそうなほどブサイクな上に、冗談の過ぎるおかんには苦労もし、笑わせてももらった。


あれから17年が経つ。

70歳になったおかんがこの間、肺炎になり入院した。


主治医によると、2週間前後で退院できるらしいが、ここ半年ほど、目に見えて衰えてきているおかんが心配だ。


おい、おかん。早く良くなってオッケーマーク見せてくれ。上下逆さまでもかまわないから。





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SかMか確認してみた結果。

僕は自分がMだと思って、この44年間生きてきた。


だが、残念ながらそれを確認する機会には恵まれなかった。


人生も折り返し地点を過ぎ、このままではいかんと思った僕は確かめてみた。


4日ほど前の夕方。ベランダから嫁が洗濯物を取り込んでいたときにだ。


上半身、裸になった僕はそっと嫁に近づき、その足元に転がる洗濯バサミを1つ拾いあげては、自分の乳首を挟んでみた。


痛かった。めちゃくちゃ痛くて腹が立った。

すぐに洗濯バサミを取り、カーペットに叩きつけた。


『なにしてるん?』


僕の気配に気づいた嫁が訊く。

『Mかどうか確認してたんや。洗濯バサミで乳首挟んで』

『はあ?』

『オレはなんちゃってMやわ。乳首めちゃくちゃ痛かったからな。ほんまにMやったら気持ちよくなるはずやろ』


『あほや。あほ過ぎる』

嫁が手を叩いて笑った。

『あんたがMかどうかはどうでもいいけど、どが付くほどのあほやいうことは間違いないわ』

目に涙を浮かべて笑う嫁。

けっこう真面目に試したのに、ここまで笑われるとは…。


SかMか確認した結果わかったのは、僕が『どあほう』ということだった。

切ない。切ないが、嫁に笑われているとき、胸のあたりが何となくざわざわした。ときめいたと言っても良いかも知れない。


精神的にはMということなのだろうか。

いやはや、何だかもうどうでもよくなった。


いまは擦りむけた左の乳首が早く治ることだけを願っている。


ちなみに、ものの本によるとホンモノのMの人は、『盲腸の手術、麻酔なしでしてください』などと懇願したりするのだそうだ。

ちゃんとしたMもなかなか大変そうではある。





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夏、プール、殺意とか。

だいたいどこのプールも、プールサイドに出る直前にシャワーがある。

それはもちろん良いとして、そのシャワーの下の水溜まりは必要なのだろうか。


訊くところによると足を消毒するためらしいが、僕にはあの水がどうしてもキレイには思えない。

ひどいところは白湯スープみたいな感じになっている。

温度も生ぬるいし、きしょく悪いことこの上ない。

小学校の頃などは、出来るだけ足が深く漬からないようにつま先立ちで、且つ、可能な限り少ない歩数で渡りきれるよう大股でと苦心していたのだが、デリカシーの欠片もないアホの同級生、たとえば小泉なんかが、バシャバシャと水を跳ねさせて僕の横を駆け抜けていったりした。


軽い殺意を覚えた。


場所が場所だけに水に流してやったが。


ところで、夏といえば嘉門達夫の『プール』という曲を思い出す。

小学校のプールの時間に起こる悲喜交々を活写したコミックソングだ。


♪プール 平泳ぎしてるヤツに 顔面けられた~♪


必聴です。






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僕にべったりな中2の娘の驚くべき発言。確かめるべきか、否か。

あほだ、ハゲだ、ダサいだと憎まれ口を叩きはするが、どうも僕のことが好きらしい、中2の娘。

例えば、一緒にテレビを観ているとき、僕が好きな北川景子ちゃんが出てきたりすると、リモコンでサッとチャンネルを変えたりする。

ブログを書くためにパソコンに向かっているときなどは、

『なにしてるの~』

とか言って、僕の膝の上に乗ってくる。

父親としては嬉しいのだが、逆にちょっと心配でもあるので、この間、膝の上に乗っている娘に言ってみた。

『そろそろ、彼氏でも作ったら?』

と。

すると娘は、『ふっ』と鼻で笑ったあと、こう続けた。

『2人いるで』

なんと、まさかの二股宣言。

ブログなんかどうでもよくなった。


その日の晩ご飯のとき、娘が嫁に訊いた。


『なぁ、ママ。二股したことある?』

『あるよ』

『え。それってパパとダブってるの?』

『えーっと。まぁ、結果的にはそやわ』

『きゃーっ』

って、うちの女子ども、ぶっちゃけ過ぎやろ。

娘は本当に二股をしているのか。キツい冗談なのか。


嫁の二股が過去のことなのか、いま現在のことなのか。確認すべきだろうか。

いや、否だな。

人生には知らなくていいことがあるというのを、もうすぐ45歳の僕は知っている。

でも、やっぱり気にはなるなぁ。

とりあえず、彼女に相談してみよう。

あっ……。





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海で女性がトイレ(小さい方)に行かない理由をあほな先輩が教えてくれた。

『おい。お前、海で女がトイレに行ってるの見たことあるけ?』

テーブルの向かいで抹茶パフェを頬張るE先輩が訊く。

『え?』

質問の意味がイマイチ分からない。

『だからやな。みんなで海に行ったとき、ビーチで、私、トイレに行ってくるって言って、オシッコに行く女を見たことあるかって訊いてるんや』


E先輩が白玉をすぽんと音を立てて、口に入れた。


『そういえばないかも。まぁ、オレはあんまり海に行かへんけど』

どうでもいいことに思えた僕は適当に返事をし、半分炭酸の抜けたコーラに口をつけた。

『オレは毎年、2、3回海に行くんやけど、今まで1回もないんや。ただの1回もやぞ。あれは絶対海の中でしとる。絶対や』


抹茶パフェを食べ終えた先輩が、ドヤ顔を僕にぐいっと近づけた。

僕には盆休みがないのだが、この間の水曜日が急に休みになった。

実はのっぴきならない用事がいくつか重なっていて、僕はいまちょっと大変な状況なのだ。だから不意に得た休みを使って、1つでも片づけようと思っていたら、E先輩から呼び出されたのだ。


E先輩はこういうタイミングを突いてくるのが、昔からなぜか得意だ。


先輩の誘いを無下に断ることもできず、近所の喫茶店に行ったのだ。

どうせ大した用事ではないだろうと思っていたが、予想通りだった。


『どうでもええわ、その話』

『お前、先輩に向かってその態度はなんやねん』


自分のアホさが分かっているのだろう、E先輩が笑いながら突っかかってくる。


威厳を取り戻そうと思ったのか、アホのE先輩、次は自分が海の中でウンコをした話をした。


『男でな、海の中でウンコしたことあるって自慢しよる奴おるやろ。アレはだいたいウソや。オレはほんまにしたことあるけど、あれな浮きよるんや、ウンコが。みんなそこまで言わへんやろ。だからウソなんや』


僕はグラスの氷を頬張って席を立った。

『帰るわ。忙しいし』

『そうか。来年は一緒に海行こな』

『いや』

氷を噛み砕きながら答えた。


“夏は終わるのではない 夏は死ぬのだ”

と寺山修司が言った。

夏の代わりにE先輩が死ねばいいのにと、ちょっとだけ思った。





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高校野球を観て泣くおかんを見て笑った僕。

僕がまだ幼なかったころ、まだ親父とおかんが離婚していなかったころの話。

夏休みになると、おかんはテレビで高校野球を観ては泣いていた。

理由は、青春を野球に賭けた少年たちの頑張りに感動してと言ったところなのだろうが、ある日、おかんが唐突に僕に訊いてきた。


『おい、之裕。あの座ってボール受けてるやつらは、みんな股間がカユイのか?』

僕は手にしていたアイスクリームを落としそうになった。


おかんを見ると、いたって真面目な顔をしている。冗談で訊いているのではないようだった。


『あれはサインや。ピッチャー、ボールを投げるやつと次にどんな球にするか相談しとるんや』

僕の説明を聞いたおかんは、イマイチわかっていない表情で

『要するに股間がカユイわけではないんやな』

と、あほな確認をしやがった。

まったくと言っていいほど野球を知らないのに、感動して泣くおかんがおかしくて、僕は笑ってしまった。


その後、僕が小学2年生のとき、親父とおかんは離婚した。 それからは高校野球を観るひまもないほど働いて、僕と弟を育ててくれたおかん。年を取り、今は施設に入って生活している。

この間、面会に行ったらテレビで大相撲を観ていたおかんが、僕に訊いてきた。

『おい、之裕。勝ったお相撲さん。なんで、要らんわって仕草してからお金もらいよるんや』

どうやら勝った力士が懸賞金を受け取るときに、手刀を切ることを言っているようだった。

『よう分からん。次、来るときまでに調べとくわ』

僕の声が聞こえているのかいないのか、おかんがつぶやいた。

『要らんのやったら、もらうなっちゅーねん。ややこしいのぉ』

その横顔が「ミイラか」っていうくらい痩せこけていた。


おい。おかん。長生きして、わけの分からない質問をもっといっぱいしろ。そしてもっと僕を笑わせてくれ。





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夏の終わりに、めちゃくちゃびっくりすること。

死んでるからと思って触ろうとしたら、狂ったようにバタバタすることあるでしょ。道端に転がっているセミ。

あれ、めちゃくちゃびっくりしませんか?

え? いい大人がそんなことしていることの方が驚く? なるほど。


それにしても、あのバタバタをしなければ、あと2日くらいは生きられそうなのに、セミよ。なぜ死に急ぐ。


やっぱり夏の終わりって、切ないなぁ。





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酷暑でも冷静な判断をする、中2の娘のキツい言葉。

最高気温が39.1度だったこの間の日曜日のことだ。中2の娘と京都市内に出かけた。

夏休み明けの学園祭で着る浴衣を買うためだ。

四条河原町あたりを歩いているとき娘を見ると、その若さあふれるおでこに玉の汗を浮かべていた。

僕の視線に気づいた娘が、

『ハンカチ、忘れた』

と言った。

僕はジーンズのポケットからハンカチを取り出して、娘の目の前にかざした。

当然、これでその汗を拭けという意味だ。

しかし、である。

娘は約1.5秒、僕のハンカチを見た後、こう言った。

『うん。これはいらん』

『なんでや。これで汗拭けよ』


よもやのノーサンキューに僕は面食らい、問い質したのだが、娘はとても冷淡に

『こんなオッサンの汗が染み込んだハンカチで顔拭いたら、私の短い人生がエンディングを迎える。これなら、牛乳を拭いて臭くなった雑巾の方がマシやわ』

などと言い放つではないか。

いくらなんでも、それは言い過ぎだろうと、僕は僕のハンカチをよく見てみたら、なるほど加齢汁が軽く搾れるほど染み込んだでいた。

差し出したハンカチをそっと引っ込めて、娘に気づかれないように僕は汗に交ざって頬を伝う涙を拭ったのだった。


浴衣は無事買うことができたが、娘のキツい言葉で、酷暑にも関わらず僕の心は凍えそうだった。





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言っても仕方のないことをつい言ってしまう悲しい生き物、ヒト。

いまの季節だったら

『暑いなぁ』

冬なら

『寒い~』とか『あ~、風邪ひいたぁ』など。


言っても仕方ないと分かっていながら、ついつい口にしてしまう。

ヒトって悲しい生き物だ。

聞かされる周わりの人間にとっては不快だろうから、僕は気をつけてなるべく言わないようにしている。


だけど、ただ1つだけ、季節を問わずどうしても口にしてしまうフレーズがある。

『金がない…』

が、それだ。申し訳ない。これが一番、聞かされていやかも知れない。


ところで、意味なく口にしてしまうといえば、口癖もそれに当たると言える。


僕の周りにいる人たちの、口癖で多いのは


『極端な話』

『逆に』

『話せば長いけど』

『ちょっと』

などだ。


だけど、『極端な話』を使う人の話は全然、極端じゃないし、『逆に』を使う人の話は、全然、逆じゃない。『話せば長いけど』を使う人

の話は、概ね短い。

みんなどれも、単に会話のリズムを取るために使っているようで、その言葉の意味はほとんど意識していないようだ。

そういえば、4年前に他界した僕の父親の口癖は、『はっきり言って』だったが、はっきり言ってと言いながら、

同じ話を何度もするので、とても苦痛だった。はっきり言って。





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携帯電話がスルメみたいになったワケ

大雨だったある休日の午後。


ちょっとした用事ができて、出かけることになった。


車を出して間もなく、携帯電話を忘れたことに気づいた。

取りに戻ることにした。

町内を半周して家の前まで戻ってきたとき、左の前輪あたりから、やな感触が伝わってきた。


不吉な予感がした。


大雨の中、車から降りて確かめた。

タイヤの下で、携帯電話がスルメみたいになっていた。


携帯電話は忘れたのではなく、月極め駐車場に行くとき、家の前で落としていたらしい。。

大雨で気づかなかったのだ。

ちょっとだけ泣きたくなった。

使えるかどうか、ダメ元で試してみた。

ダメだった。

ダメ元という言葉を使うとき、ダメじゃなかった試しがないということも確認できた。


思いきり泣きたくなった。


ところでスルメといえば、ファックスが出てきたばかりの頃、薄いものなら何でも送信できると思っていたお婆ちゃんが、孫のためにスルメをファックスに突っ込んだという話を思い出した。


少しだけ笑顔になれた。





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