半泣きの詩(うた)R 

「半」のつく言葉が好きだ。半泣き、半笑い、半ケツ、半身、半熟、半殺し等々。 どれもこれも中途半端な状態を表していてコミカルだ。 半殺しなんかはちょっと物騒な響きだが、それでもきっちり殺されるよりはマシである。 世界は中途半端であふれ返っている。 このブログでは大泣きするほどのことではない、でも半泣きくらいにはなってしまいそうな日常のシーンを掠めとって、読んでくれる人を半笑いにしたいと思います。

~的なお客様


二十歳から15年間、ビジネスホテルのフロントマンをしていた。

ある夜勤のときこと。お泊りのお客様(男性・50歳くらい・自営業風)が、

翌日の観光について質問をされた。 


「明日、清水寺に行きたいんだけどね。場所的にはどこ?」

「ホテルの玄関を出て右手にすぐ交差点があります。そこを右にまっすぐお進みください」

「時間的にはどれくらい?」

「徒歩で約20分でございます」

「タクシーで行ったら、料金的にはいくらくらい?」

「1メーターか2メーターほですね」


胸中に湧き起こる不快感をいなし、僕はキープスマイルでご案内してさしあげた。

僕はこの、なにかというと「~的」をつける話し方があまり好きではない。

日本語として正しいのかどうかはわからないが、少なくとも僕的にはなしだ。






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細かいお客様





二十歳からの15年間、ビジネスホテルのフロントマンをしていた。

ある夜勤のときのことだ。お泊りのお客様(男性・45歳くらい・サラリーマン風)が

翌朝のタクシーの手配をリクエストされた。 

 「明日の朝、8時14分にタクシー1台おねがい」

と。

8時14分て。

なぜ〝14分〟なのか。15分ではだめなのか。当然のように湧きあがる疑問を
呑みこんで僕はかしこまった。

そして僕は思った。きっとこのお客様は自身の性格や行動、そしてそれらを取り巻く状況、

起こりうる些細なトラブルなどを勘案し、緻密な予定を立てているいるのだと。

だから目ざましのアラームも『7時32分』にセットしたり、待ち合わせをするときは

「じゃ、阪急百貨店に18時3分ね」と言ったり、お肉を買うときは「豚バラを112.8グラムちょうだい」と

言ったり、テレビのアンテナケーブルを切り売りで買う時は「1m32cm13mmください」と言ったり……

もうええか。



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夢について


小学校の卒業文集に

「将来の夢・がっちりした人」

と書いた奴がいた。
そいつは中学二年のときに早くもがっちりしてしまった。
あんまりうらやましくない。

クラスでも目立たない控え目ブスだったTさんは

「将来の夢・スクールメイツ」 

と書いていた。
アイドルではなく、その後ろで踊る盛り立て役になることが夢なんて、
ちょっと切ない。

かくいう僕の将来の夢は「プロレスラー」だった。

しかし、人並外れて非力だったのと、近視が理由でその夢をあきらめた。
力、筋肉は鍛えればなんとかなるとして、視力はどうしようもなかったからだ。
(レーシック手術など、手塚漫画にも出てこないほど昔の話です)

覆面をつけたレスラーをマスクマンというが、メガネをかけたレスラー・メガネマンなんて
聞いたことがない。 

そういえば、卒業文集の寄せ書きコーナーに「夕陽」と書いた奴がいた。
彼などは十二歳にして早くも人生の黄昏時を迎えていたのかも知れない。

みんな、もういい歳だが、いったいどこでなにをしているのだろう。


ところで、大人になってから知ったのだが、往年の名レスラー、スタン・ハンセンは
極度の近視で、だからあんなブルファイトだったそうだ。

もっと早くにそのことを知っていれば・・・


いや、そんな「たられば」を言ってみても仕方がない。
もう人生も折り返し地点をとっくに過ぎた。前を向いて生きよう。


「振り向くな  振り向くな  後ろには夢がない」 by  寺山修司






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あだ名


中学のとき「ゴリ」というあだ名の同級生がいた。
「ゴリ」 とあだ名されるだけあって、顔はもとより立ち振る舞いまでもが
ゴリラにそっくりな 奴だった。

ある日の放課後、僕は友人のKとゴリの家にゴリを誘いに行った。
自転車で乗りつけた僕たちは、チャイムもならさず声の限りに叫んだ。
( 携帯電話などSF映画にも出てこないほど昔の話です)

「ゴリー! ゴリ、遊ぼけえ!」 

数十秒後、玄関の引き戸がガラガラと開き

「うちの子はゴリちゃう!!」

という唸り声とともにお父さんゴリラが現れた。

僕たちは呆気にとられ言葉を失くしたが、お父さんゴリラはすぐに戸をピシャッと閉め、
檻、いや家の中に入っていった。

結局、その日はゴリと遊ばなかった。






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